宇田川喜信
Yoshinobu Udagawa
有限会社 You Planning Office 代表
1968年東京都台東区浅草生まれ。
東京から国内は沖縄、海外はハワイまで幅広い不動産のコーディネートを行う。
人それぞれの「LIFE」を探して
有限会社 You Planning Office 代表 宇田川喜信
私が初めて石垣島を訪れた2006年3月、その時の石垣島は20℃くらいでした。
天気は曇りで東京よりは温かかったのですが、風がやや強く寒いなと感じました。しかしながら、だんだん天気が良くなると途端に暑くなり汗ばむほどで、着ていたパーカーを脱いでしまいました。最高気温は26℃もあったそうですが、東京は5℃ですから、同じ国内でも、こんなにも違うものなのかと改めて驚きました。以来、私は石垣島行く際は月を問わず、Tシャツに軽く上着を羽織るくらいで飛行機に乗ります。
サーフィンを楽しむ私にとって、石垣島の魅力はなんといってもその海です。空から見えるコバルトブルーの海、そして空港から数十分もすればたどり着く真白い砂浜のビーチ。東京の下町、浅草で育った私にとって、このような美しい自然そのものの風景はまるで魔法のような風景でした。
海からそよぐ風と潮の香り、同じ日本でもその風情は全く違います。江戸前ではなく、八重山前とでもいうのでしょうか。 於茂登岳から連なる山々と、豊かな海。八重山諸島に魅せられた他の人々と同じように、いつしか私はこの島に住んでみたいと思うようになりました。
沖縄のユニークなことの一つに、コンクリート住宅の町並みがあると思います。一方で竹富島のように重要な町並み保存地区に指定されている島では、かつての人々の暮らしの風景を垣間見ることもできます。地理や気候など、住宅の建築はその地方によって様々な顔を見せますが、そこには先人の素晴らしい知恵と工夫が隠されているものです。同じ日本でも沖縄の瓦は赤、そして漆喰で塗り固められています。周辺には防風への対策ため福木が植えられており、島の自然と溶け合って美しい町並みを今に残しています。
同じような気候のハワイやフロリダでは、住宅は木造が基本です。私は人に優しく、経済性の高い美しい木造住宅が石垣島でも作れないかと考えました。そして、幸運なことに、石垣島出身の建築の専門家やプロフェッショナルな地元の工務店の知己を得て、様々な思案を慎重に検討しながら、10年後に新たなスタイルの木造住宅を建築することができました。
石垣島はこれからもどんどん人口が増えてゆくでしょう。雪が降らず年間を通して温暖なこの島の気候は、まさに「終の棲家」建てるにふさわしい場所のひとつと言えます。石垣島に来て私と同じような事を感じた人は少なくないはずです。私のこの幸せな経験が、自分の人生のスタイルを探している方にとって役に立てれば幸いです。