仲吉厚志[Atsushi Nakayoshi]
一級建築士/エコハウスマイスター
1966年沖縄県石垣市生まれ。石垣島から上京、東海大学工学部の建築学科に進み、建築を学ぶ。ICS college of art’sを卒業後、都内の設計事務所勤務を経て、東京都内の住宅を始めに全国の集合住宅、公的施設の設計を行う。2012年に「住居兼飲食店 地域の『縁側』となる住宅」でグッドデザインアワードに選出。
2014年よりシンクロアーキテクツ 一級建築士事務所代表。
シンクロアーキテクツ一級建築士事務所
www.synchro-a.com
沖縄に木造住宅を造る意味
シンクロアーキテクツ 一級建築士事務所 代表 仲吉厚志
沖縄県内でで建築される建物の約77%は鉄筋コンクリート造です。木造の建物は、鉄筋コンクリート造の高騰を受けて増えつつありますが、鉄骨造などを除き、14%くらいに留まっています。
沖縄は、本土とは違う気候や文化があることはご承知の事とは思いますが、建築の3大弊害として、台風、白アリ、塩害という障害があります。
こと、台風においては、沖縄戦後の焼野原に材料難の中、木造で建てられた小屋が台風により倒壊し、アメリカ軍のもたらしたコンクリート造が、普及し現在の在来工法となっています。
いまだに、沖縄においてのコンクリート神話は健在ですが、現在は、本土における自然災害や工法の技術革新によって、安全な住宅を供給できるようになりました。
工法においては、本土では一般的なプレカット工法を使用して、安全で均一な施工性が確保されました。
また、阪神・淡路の震災により木構造の接合部が見直されるきっかけとなり倒壊を防ぐための筋違の補強金物が強固になりました。
また、白アリの対策ですが、(社)日本木材保存協会の認定を受けた安全な薬剤であるホウ酸処理を窯入れで行う技術によりシロアリ対策も昔ほどの心配を要さずに済みます。
何より、コンクリートと違って熱容量の低い木材は、蓄熱量も少なく、コンクリートのような寝苦しい夜を少なくさせます。
私は、赤瓦の古民家を新築する物件を経験して、その快適性の効果を実感し、現在実現可能な技術によって、沖縄の気候風土に合った建築があるのではないかと考えました。
先人の知恵である赤瓦の住宅の良さや、現在の技術革新された工法、素材を使って沖縄型の木造住宅をこれから提案していこうと思います。
略歴
1966 | 沖縄県 石垣島生まれ |
1989 | 東海大学工学部 建築学科卒業 |
1992 | ICS college of art’s 卒業 |
2002 | 東京都内設計事務所に入社 飲食店舗・住宅・録音スタジオ等の設計に携わる。 |
2000 | 一級建築士事務所シンクロ設計 設立 |
2012 | 都内設計事務所勤務 |
2014 | シンクロアーキテクツ一級建築士事務所 設立 |
賞歴
1992 | 第27回 セントラル硝子国際建築設計競技 入選 |
2011 | 伊香保街並みデザインコンペ 入選 |
2012 | 沖縄県看護協会 研修センター プロポーザルコンペ次点 候補者 |
2012 | グッドデザインアワード 住宅部門 選出 |
掲載
2002 | 主婦の友社 プラスワンリビング | 「練馬の家」掲載 |
2004 | マガジンハウス BRUTUS | 「新橋の家」掲載 |
2005 | ソニーマガジンズ | 「肝心」掲載 |
2008 | オレンジページインテリアand home | 「石垣島の住宅」掲載 |
2008 | 沖縄スタイル | 「石垣島のカフェ」掲載 |
2010 | 沖縄学入門 | 「沖縄レストラン和海」掲載 |